ヒロニカの日記

兼業トラックメイカーのブログ

2016年 - テクノロジーと夢の終わり

2016年は、これまでインターネットやテクノロジーの進歩が持っていたぼんやりとした夢や理想が、次々と現実になっていった年でした。

 

カリフォルニアでは自動運転車が公道を走り、AIに奪われる職はこれだ!と世界中で話題になり、2,3万出せばドローンが買えるし、大抵の"したいこと"は勝手にサジェストされてきて、綺麗なUIのアプリ操作だけで完了できる。

ネット、ベンチャービジネス、グローバリゼーションの力学が「ビジネスになるかもしれない領域を発掘」していった結果、そのとてつもないスピードで全ての領域を探査し尽くした年。

 

その結果、5年前僕達が考えていた「こんな世界になるのかもな」という夢は、現実や、先が予想できる実現計画になった。

 

夢が現実になるのと、夢から覚めるのはだいたい同じだと思う。

 

新しい世界に、僕達は消費者としてしか参加できない。「皆で一緒に新しい世界を作っていく」みたいな、20世紀みたいな社会はもう二度と来ないと思う。

世界を変えるような仕事に携われる人は世界人口の0.1%もいないし、その人達も、善意と熱意にあふれて進めてきたことが、Brexitや米大統領選で見えたような深刻な格差を作ったのだと気付いて、矛盾を抱えながらも止まれずに進み続けている。

 

ぼんやりとした夢は消え、明日は今日よりも良くなるけど、何もかも見えていて織り込み済みの味気ない現実だけが残されている。

今年はどんな文化も、アートも、音楽も、その現実をどうやって超えていけるのか模索し続けた年だったと思う。希望がみえたものもあればまだ霧の中というものもある。

 

アートの代わりにテクノロジが世界に夢を見せていた、この10年間だけが異常だったのかもしれない。何もかもが現実に落とし込まれたいま、どこからも地続きでない未知の何かを発見し伝える役割は、表現者たちの手に戻ってきたように思える。